2018年のIPニュース

2018年1月30日号韓国:商標審査基準変更 他

  1. 韓国:商標審査基準変更
  2. アルゼンチン:商標法改正
  3. 中国:商標評審委員会(TRAB)、決定を集めたオンラインデータベース開始
  4. ブラジル:先使用権に関する最高裁判所の重要判例
  5. ブラジル:知的財産裁判所設立
  6. ウクライナ:オフィシャルフィー上昇予定

韓国:商標審査基準変更

韓国では2018年1月1日より、商標審査基準が改正され、以下の変更が行われている。

(1) 一部指定商品放棄時の提出書類を簡素化

別途放棄書を提出せず、納付書に一部指定商品放棄の旨を記載して提出可能。

(2) 登録商標の表示関連規定を新設

商品又は包装等に登録商標であるとの文字と登録商標番号の表示、又登録番号に代え、これを掲載したインターネットアドレスを表示可能に変更。

(3) 立体商標の識別力判断基準を変更

立体的形状について、使用による識別力が認められなければならなかったが(識別力のある要素が結合された場合を除く)、立体的形状が指定商品(包装・容器を含む)の形状を表示するものであると認識されず、一般的又はありふれたものでない特異な形状である場合は識別力があるものと看做す(例:「ライオンの立体的形状」に対して「自動車」を指定)。

(4) 設定登録料を納付しなかった先出願商標が引用された商標出願の審査処理を改善

先出願商標が設定登録料の納付期間内に登録料を納付しなかった場合、従来は権利回復の可能性のため1年以上後願商標を審査保留としていたが、出願人の便宜及び審査処理期間の短縮のため、登録料を納付しなかった場合、当該商標は放棄されたものとみて後願商標を審査保留することなく処理可能に変更。

(5) 「顕著な地理的名称+大学校」の結合商標の識別力判断基準を新設

顕著な地理的名称に大学校が単純結合された標章の場合には識別力がないものと見るが、「教育関連分野等」において特定人の商標として認識される程知られている場合は識別力を認めるよう規定。「教育関連分野」は教授・講義分野だけでなく衣類・食品分野等の大学校で実質的に事業化がなされる分野も含む。

(6) 著名商標等との類否判断時に他人であるか否かの判断時点を明確化

著名商標等と類似するか否かの判断は商標出願時を基準とするが、他人であるか否かの判断は登録可否決定時を基準としている点を審査基準に明確に規定。

(7) 無効処分による審査保留の例外規定を追加

審査の関連書類等に無効処分があった場合、無効処分が取消されても審査結果に影響を及ぼさない場合には審査保留しないことが可能となる(例:出願人が書類を誤って提出し無効処分となった場合、手数料納付書を重複納付して一方が無効処分となった場合等)。

(8) 商品分類制度の改正

現行の商品分類制度に対しても様々な改正がなされたが、その主要事例として「健康機能食品」関連商品の第5類への単一化が挙げられる。
「健康機能食品」関連商品の場合、従来は主原料が果物なら第29類、穀物なら第30類のように主原料に応じて区分を分けて指定しなければならなかったが、食品というよりはある程度薬効・効能のある商品として「食餌補充剤」(第5類)と機能が類似することから、2018年1月1日以後の出願においては主原料にかかわらず第5類に単一化された[類似群コード:G1009(新設)及びG1004(薬剤群)適用]。
これにより、例えば「果実を主原料とする健康機能食品」、「卵を主原料とする健康機能食品」等のように商品名称表記を「主原料明示+健康機能食品」とすることで、主原料毎に第29、30類等に分けて出願しなくても第5類で登録を受けられることとなった。
一方、商品名称表記が「〜〜健康補助食品」、「〜〜健康食品」の場合は、食品に近い商品として依然として主原料に応じて第29、30類等に分類されているが[類似群コード:G1009(新設)及び主原料毎の該当コード適用]、上述した第5類の「〜〜健康機能食品」と類似群コードG1009が共通することから、商標出願時に第5類の「〜〜健康機能食品」を指定することで第29、30類等のG1009該当商品まで商品類似範囲に含まれるものと認められる効果が期待できる。

[出典:KIM & CHANG]

アルゼンチン:商標法改正

アルゼンチンでは商標の異議申立制度について、以下の改正が予定されている。
これによれば、従来和解による異議申立の取下げは12か月の期間が与えられていたが、これが3か月に短縮される。この間に和解に至らない場合、商標庁が決定を下し、決定に不服がある場合、裁判所に出訴することになる。
これと同様に、商標の取消又は無効審判に関しても、まず商標庁での審判が行われる。
また、従来一部取消は認められていなかったが、改正後は認められる。
更に、登録から5年目に使用宣誓書を提出しなければならなくなる。
改正法では多区分制度の導入も予定されている。

上記の改正については2018年1月11日付省令で公布されており、近々議会での採択される予定である。
進展があり次第、IPニュースでもお伝えする予定である。

[出典:Palacio & asociados]

中国:商標評審委員会(TRAB)、決定を集めたオンラインデータベース開始

2017年12月28日、中国商標評審委員会(TRAB)は同委員会の下した決定を集めたオンラインデータベースをリリースした。TRABは2016年12月からランダムに選んだ決定を毎月公開していたが、このデータベースのリリースにより、より多くの情報を公開し、一層の透明化を目指す予定である。
以後、TRABの決定は当事者に発行された後20営業日以内にデータベースにアップされる。これらの決定は、拒絶査定・異議申立の再審、無効、無効審判の再審、取消決定の再審を含む。
これらの決定が、当事者の営業秘密又は個人情報を含む場合、当事者一方から非公開の要請があり、TRABが妥当と判断した場合は公開されない。

[出典:Wanhuida Pekusung]

ブラジル:先使用権に関する最高裁判所の重要判例

ブラジルは先願主義を採用しており、商標の所有権は登録によって確立する。
しかし、知的財産法第129条の第1項において、要件を満たす場合、善意による商標の先使用権を認めている。

従来、ブラジル特許庁はこの条文を異議申立において、商標の登録付与前にのみ適用してきた。すなわち、一旦第三者の商標が登録された場合、例えば無効審判において、特許庁は悪意が明らかな場合を除き、当該条文の援用を認めることはなかった。
しかしブラジル最高裁判所は、この条文の適用範囲をもっと広げるべきであるとし、登録付与後の商標に対しても、登録付与から5年以内であれば適用できると判断した。これは、Seriprint Industria e Comercio de Etiquetas Ltdaの登録商標「PADRAO GRAFIA」に対して同一商標の先使用権に基づき請求された取消審判についての判欠で記載されたものである。
最高裁判所の解釈は、商標の実際の「創設者」の標章開拓や使用にかけた投資とグッドウィルを考慮したものである。
しかしこの解釈は同時に一度登録された商標権について、登録から5年以上たたなければ実際に権利が確定しないという不安定さを生むことになる。
以上の状況から、ブラジルにおいて、常時より商標の使用を証明できる証拠を収集しておくことが重要となる。

[出典:Dannemann Siemsen]

ブラジル:知的財産裁判所設立

2017年12月、サンパウロ控訴裁判所は、同市の中央民事裁判所に事業と紛争に関する2つの下級専門裁判所を設立した。
これらの裁判所は知的財産、不正競争及び裁定に関する案件を扱う。しかし、著作権に関する紛争は取り扱わない。
現在審理中の案件は引き続き民事裁判所で取り扱われる。

サンパウロでは知財裁判所は控訴裁判所にしかなかったが、新裁判所の設立により、知財に関する紛争は今後開始当初から知的財産裁判所で扱われることになる。

[出典:Danneman, Siemsen]

ウクライナ:オフィシャルフィー上昇予定

ウクライナ政府は特許庁のオフィシャルフィーの引き上げを発表した。現在のオフィシャルフィーの2〜4倍となる予定である。
オフィシャルフィーの変更日は未定であるが、同国の弁理士会は数か月以内と予定している。
現地代理人はウクライナでペンディング中、又は近々更新予定の案件がある場合、早めに手続することをお勧めしている。

[出典:Vakhnina & Partners]

IPニュースの定期購読(無料)も受け付けていますので是非ご利用ください。購読をご希望の方は右のボタンからお申込みください。

IPニュース定期購読申込みへ
お問合せフォームへ
ページのトップへ