2018年のIPニュース

2018年1月16日号イラク:商標出願及び更新に係るプラクティス変更 他

  1. イラク:商標出願及び更新に係るプラクティス変更
  2. EU:Brexit 準備通知公布
  3. ベトナム:商標に関する手続の変更
  4. ドイツ:異議申立手続に関する期限延長通知について
  5. インド:著作権審査迅速のためのデジタル化
  6. 中国:著名商標の整理開始

イラク:商標出願及び更新に係るプラクティス変更

2017年11月14日号で、新商標登録官赴任に伴うプラクティスの変更の予測をお伝えしたが、このほど複数代理人よりプラクティスが変更された旨の連絡がきた。
変更の対象となるのは旧制度下で出願された出願番号50,000-72,000までの案件である。また、旧制度下において申請された更新商標で公告されていない商標についても再出願が必要である。
尚、新制度下において商標出願は以下の手続で処理される。

旧制度:出願、審査、受理、公告、登録
新制度:審査、受理、出願、公告、登録

新制度下において、商標は審査が終了するまで出願できず、審査の結果により拒絶されることもある。拒絶された場合、出願人はこれを受け入れるか、当局に正式な拒絶通知の発行を依頼し、受領日から30日以内に裁判所に不服申立を請求できる。
審査は約90日で、審査官は旧制度下で行われた元の出願を検討し、引用商標がある場合のみ、その出願日を考慮する。しかし、一度受理されると新しい願番と出願日が付与されるため、出願人はこの時点で先願権を失う。
現時点では、当局から再出願に関する特定の期限は設定されていない。しかし、新制度下で第三者が同一又は類似商標を出願した場合、当局は引用商標の所有者に対して5営業日以内に再出願を命じ、出願されなかった場合は第三者の出願を受理し、元の商標を拒絶する。

現在、弊社でお預かりしている案件については確認を進めており、随時ご案内予定である。

[出典:Abu-Ghazaleh IP]

EU:Brexit 準備通知公布

2017年12月1日、EU委員会はEU商標に関するEU規則第2017/1001号によるEU商標の所有者及び出願人、及び共同体意匠に関するEU規則第6/2002号による共同体意匠の所有者及び出願人への通知(NOTICE TO HOLDERS OF AND APPLICANTS FOR EUROPEAN UNION TRADE MARKS PURSUANT TO REGULATION (EU) 2017/1001 ON THE EUROPEAN UNION TRADE MARK AND TO HOLDERS OF AND APPLICANTS FOR COM MUNITY DESIGNS PURSUANT TO REGULATION (EC) NO 6/2002 ON COMMUNITY DESIGNS)を公布した。
これによると、別途協定が締結されない限り、EU商標及び共同体意匠及び未登録の共同体意匠は2019年3月20日0時(取下日)をもって、英国において効力を持たなくなり、英国のセニョリティ・クレームもEU商標において効力を発しなくなる。
同様に、EUを指定する国際商標及び共同体意匠についても、取下日以降はEU加盟27か国のみにおいて有効となる。
したがって、EU商標の所有者又は出願人は、今後イギリス以外の代理人に委任すること、不使用取消の回避のためイギリス以外でも使用実績を保存しておくことを念頭におかなければならない。

Brexitに関しては、その後のEU商標の取扱について現在も交渉が進んでおり、進展があり次第、IPニュースでもお伝えする予定である。

[出典:EUIPO]

ベトナム:商標に関する手続の変更

2017年11月、ベトナム科学技術省(MOST)は知的財産庁(NOIP)の手続変更に関する通知を公布した。これにより、2018年1月15日から下記の変更が行われる。

  1. 局指令の対応期限の延長
    方式審査の局指令に対する対応期限を発行日から1か月から2か月とする。実体審査の対応期限を同様に2か月から3か月とし、これの期限は申請により1度だけ同期間延長可能できる。
  2. 国際商標の所有者に対して不服審判前に暫定的拒絶通報へ回答できる機会付与
    現在、国際商標の暫定的拒絶通報に対して、出願人は90日以内にNOIPの審判部へ不服審判を提出できる。審判部は国際商標の実体審査を行う部署ではないが、同部の決定はNOIPでの結審となる。
    今回の通知によれば、出願人は90日以内にNOIPに回答を提出でき、地理的表示部がこれを審査する。地理的表示部が拒絶を維持する場合、NOIPは拒絶査定を発し、出願人は90日以内に審判部に不服審判を請求できる。
  3. 不服審判に関する補充手続
    今回の通知は不服審判においてNOIPが独立の専門家に対して諮問すること又は専門家を含むパネルを設定することを決定できる。NOIPは関連当事者が出席できるヒアリングの設置も開設できる。
  4. NOIPに対し、無効請求通知を送付する1か月の期限設置
    今まで取消審判の請求があった場合、所有者にそれを通知する期限が決まっておらず、これにより審理に非常な遅延が生じていた。
  5. 取下げられた出願は回復不能とする
  6. 異議申立対象の出願の審理結果を送付
    従来、NOIPは異議申立人に対して決定の詳細について通知する義務はなかったが、今回の通知では最終決定とともにその審理の詳細についても通知しなければならない。
  7. NOIPのディスクレーム要求に対する対抗手続の導入
    NOIPは現在、しばしばディスクレーム要求を出しているが、出願人がこれに対して回答又は不服申立をする手続が特定されていない。
    今回の通知では、出願人はディスクレーム要求に対して90日以内に対応できる。
  8. 著名商標の認定
    現在、ベトナムにおいては裁判所の決定又はNOIPの決定に基づき著名商標の認定が行われている。NOIPは侵害、不服申立、取消、異議申立等のケースの取扱において、ケースバイケースで著名商標の認定が行っているが、このような認定は著名商標の認定の公式決定とは看做されていない。
    今回の通知においては、NOIPが上記のようなケースで著名であると決定を下した場合、NOIPの著名商標リストに掲載されることが規定された。
    しかし、今回の通知において、著名商標の認定の申請があった場合についての規定は含まれていない。
[出典:Spruson & Ferguson]

ドイツ:異議申立手続に関する期限延長通知について

ドイツ特許商標庁(DPMA)は、異議申立手続における延長申請についての通知を発行した。これによれば、妥当な理由を提出できる場合、最初の期限延長(通常2か月)を認められる。更なる期限延長について、正当な関心と当事者の同意を示さなければならない。
将来的には最大で6か月の期限延長が認められ、当事者間の交渉がまとまらなかった場合、更なる期限延長が認められる。

[出典:DPMA]

インド:著作権審査迅速のためのデジタル化

著作権登録に係る審査の迅速化のため、著作権庁は2017年12月4日、月曜日から金曜日までの間に受理した申請のリストを公告すると通知した。
この公告により、申請された著作権について何人も異議申立可能となる。これに対し、申請人は自身の著作権に関する権利を通知する。もし、異議申立に対して作品又は書類が提出されない場合、申請は放棄されたものと看做される。
著作権庁は毎週月曜日に同庁のwebサイトで公告する。

[出典:S.S. Rana & Co]

中国:著名商標の整理開始

中国において馳名商標(well-known trademark)は日本の「著名商標」に該当し、中国全土において公衆に広く知られ、且つ高い信用を有する商標である。一方中国においては著名商標(famous trademark)もあり、これは産業を発展させるため、各省内(経済特別区も含む)が独自の基準で著明性を判断し認定する。したがって、馳名商標と区別される(詳細については、2006年1月25日号参照)。
中国商標法には馳名商標という概念はあるが、著名商標に関する規定はないため、著名商標は法律概念ではない。著名商標はただ地方政府、関連部門が一定の手続によって与える商標の栄誉称号にすぎない。
このほど、全国各地で実施されてきた十数年における地方著名商標制度は終結の危機に直面している。関連する地方性法規は整理され、地方における「十大ブランド」「老舗商号」等の比較評価も停止されることとなった。

[出典:Beijing East IP]

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