2017年のIPニュース

2017年9月26日号EU:商標規則改正 他

  1. EU:商標規則改正
  2. オーストラリア:分割出願に関する変更
  3. サウジアラビア:医薬品に関するアラビア語訳が義務付け
  4. レバノン:VAT上昇
  5. 韓国:水際措置の現況および活用
  6. タイ:関税法改正

EU:商標規則改正

2016年01月13日号でEU商標制度の一連の改正に関するニュースをお伝えしたが、 その第2段階として、2017年10月01日より以下の改正が行われる。

1. 商標の視覚的表示の廃止

商標の視覚的表示要件条項は今後必須要項ではなくなり、一般的に利用できる技術を使用すれば、あらゆる形式で表記することが可能になった一方、その最終的な表示形態は明確かつ正確で不備の無いこと、わかりやすい場所に読み易 く示され、且つ耐久性と客観性を備えることが求められる。

2. EU証明商標の導入

EU証明商標は、商品あるいはサービスの素材、製造方法、サービスの提供方法、品質、精度あるいはその他の特性に関して差別化を可能とする新しい商標である。
証明商標は、本商品及びサービスが、使用規則に則り商標の所有者の責任下で管理されており、所定の規格に準拠していることを示す。
証明商標の申請者は、申請日から2ヶ月以内に、証明商標の以下の条件を含んだ使用規則を提出しなければならない。

  1. ①商品あるいはサービスの特性
  2. ②証明商標の使用を規定する条件
  3. ③商標所有者によって適用されるテストおよび監督措置

また規則には、証明商標の名義人は証明商標を用いた事業活動を行うことがで きない、証明商標は地理的出所に関して証明された商品又は役務を区別する目 的で出願することはできない等、商標所有者が遵守しなければならない一連の 制限事項が含まれている。

3. 各種申請手続の変更

以下に主な改善された点を示す。

  • 優先権主張は、商標出願時に同時に提出されなければならない。ただし、優先権書類は3か月以内に提出可能である。
  • 識別性の獲得が従属的請求(subsidiary claim)となる:即ち、固有識別性が拒絶され、その他のアピールの根拠がない場合に提出できる。
  • 異議申立/及び取消手続きの許容性と正当化の要件が改正され、より明確となった。
  • 根拠となる書類は、電子的手段によって提供可能となった。
  • 根拠となる書類は、EU全ての公用語で提出でき、欧州連合知的財産庁(EUIPO)が要求した場合にのみ翻訳が必要となる。
  • 審判に関する規定の整理:1つの法的文書にまとめられた。
[出典:Vila Abogados]

オーストラリア:分割出願に関する変更

IPオーストラリアは商標の分割出願制度の変更に関する諮問書を公表した。これには国際商標の分割出願についても含まれる。

1995年商標法ではオーストラリアの全ての商標出願の分割が認められているが、マドプロ経由での出願については認められていなかった。これについて国際出願に関する分割出願を認める共通規則が2019年11月01日より施行されるため、今回の諮問書は商標法の改正を提示したものである。

現在、分割出願については新たに15ヶ月の応答期限が設定されるが、諮問書は親出願のステータスをそのまま維持することを提示しており、これに伴い、国内出願に関する分割出願の応答期限の変更も提示している。

[出典:K&L Gates]

サウジアラビア:医薬品に関するアラビア語訳が義務付け

サウジアラビア食品医薬品庁(SFDA)は通知36838/2017号を発し、今後全ての医薬品については製品概要(Summary of ProductCharacteristics)と患者向け医薬品情報(Patient Information Leaflet)のアラビア語訳提出を義務付けた。

これは現在SFDAが進めている薬品の承認とライセンスに関するデータベース整理の一環として発せられたものである。

従って、これらの情報に使用する医薬品名などについてのアラビア語訳についても商標出願をしておくことが望ましい。

[出典:SABA IP]

レバノン:VAT上昇

2017年10月01日よりレバノンでは付加価値税(VAT)が10%から11%に上昇する。
これに伴い商標関連のオフィシャルフィーも上昇する予定であるが、詳細については未だ確定していない。
進展が在り次第、IPニュースでお伝えする予定である。

[出典:出典:SABA IP]

韓国:水際措置の現況および活用

このたび韓国税関が発刊した『知的財産権侵害取締 年間報告書』(下記リンク参照)によると、2016年の知的財産権侵害物品の摘発件数は計9,853件であり、このうち約90%が中国から輸入されていた。権利類型別にみると商標権侵害件数が全体の95.6%と圧倒的に多く、次いで著作権、特許権などその他の権利の順となっている。

侵害物品の品目は、重量基準で玩具・文具類が24.8%と最も多く、衣類・織物(14.5%)、かばん類(11.9%)がそれに次いでいる。また侵害物品の通関形態としては、件数基準で郵便物及び国際宅配貨物が97%と大部分で、これは個人消費者による海外からの直接購入が活発になったことにより、少量で侵害物品が輸入される形態が増加したためであると推察される。

水際措置が効果的になされるためには、知的財産権情報を申告する税関申告制度を積極的に利用することはもちろん、税関に必要情報を提供するなど、取締が円滑になされるよう権利者がより主体的に関与していくことが望ましい。

※2016年知的財産権侵害取締報告書(英文バージョン)リンク

[出典:KIM & CHANG]

タイ:関税法改正

タイでは関税法が改正され、2017年11月13日から施行される。その主な改正点は以下の通りである。

現在の1926年法では、侵害品の輸入業者は、最大10年且つ/又は正規品の価格の4倍相当の罰金が科される。改正法は侵害品のトランジットとトランシップにも処罰が適用されるとし、模倣品のトランジットとトランシップに関しても最大10年且つ/又は50万バーツの罰金を科すことを明確にした。
また改正法は、侵害品の輸入を「試みた」ものについても処罰の対象とし、もし侵害品の輸入であることを知っていた場合は、輸送会社も連帯責任を負うとしているが、これがどのように実施されるかについては不明瞭である。
旧法において、輸入された侵害品であることを知りながら転売又は販売していた者に対しても最大10年且つ/又は正規品の価格の4倍相当の罰金が科されていたが、改正法では最大10年且つ又は50万バーツの罰金を科すとしている。

[出典:Baker McKenzie]

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